小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例



No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
[令和3年4月1日現在法令等]
🔵 国税庁ホームページ情報 🔵
 

No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例

[令和3年4月1日現在法令等]

 

1 特例の概要

 個人が、相続や遺贈によって取得した財産のうち、その相続開始の直前において被相続人又は被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族(以下「被相続人等」といいます。)の事業の用又は居住の用に供されていた宅地等(土地又は土地の上に存する権利をいいます。以下同じです。)のうち一定のものがある場合には、その宅地等のうち一定の面積までの部分(以下「小規模宅地等」といいます。)については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、下記2の表に掲げる区分ごとにそれぞれに掲げる割合を減額します。

 なお、相続時精算課税に係る贈与によって取得した宅地等及び「個人の事業用資産についての贈与税の納税猶予及び免除」の適用を受けた特例事業受贈者に係る贈与者又は「個人の事業用資産についての相続税の納税猶予及び免除」の適用を受ける特例事業相続人等に係る被相続人から相続又は遺贈により取得した特定事業用宅地等については、この特例の適用を受けることはできません。
 

(注)「宅地等のうち一定のもの」とは、建物又は構築物の敷地の用に供されている宅地等(農地及び採草放牧地は除きます。)をいい、棚卸資産及びこれに準ずる資産を除きます。
 

2 減額される割合等


 小規模宅地等については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、次の表に掲げる区分ごとに一定の割合を減額します。
 

相続開始の直前における宅地等の利用区分
要  件
限度面積 減額割合
被相続人等の事業の用
に供されていた宅地等
     貸付事業以外の事業用の宅地等 @ 特定事業用宅地等に該当する宅地等  400u  80%
貸付事業用
の宅地等
一定の法人に貸し付けられ、その法人の事業
(貸付事業を除きます。)用の宅地等
A 特定同族会社事業用宅地等に該当する宅地等  400u  80%
B 貸付事業用宅地等に該当する宅地等  200u  50%
一定の法人に貸し付けられ、その法人の貸付事業用の宅地等 C 貸付事業用宅地等に該当する宅地等  200u  50%
被相続人等の貸付事業用の宅地等 D 貸付事業用宅地等に該当する宅地等  200u  50%
被相続人等の居住の用に供されていた宅地等 E 特定居住用宅地等に該当する宅地等  330u  80%


特例の適用を選択する宅地等が以下のいずれに該当するかに応じて、限度面積を判定します。

特例の適用を選択する宅地等
限度面積
特定事業用等宅地等(@又はA)及び特定居住用等宅地等(E)
(貸付事業用宅地等がない場合)
(@+A)≦400u     E≦330u
 両方を選択する場合は、合計730u
貸付事業用宅地等(B、C又はD)及びそれ以外の宅地等(@、A又はE)
(貸付事業用宅地等がある場合)
(@+A)×200/400+E×200/330 +(B+C+D)≦200u


※ 特例を適用する宅地等が配偶者居住権の目的となっている建物の敷地の用に供される宅地等又はその宅地等を配偶者居住権に基づき使用する権利の全部又は一部である場合には、その宅地等の面積に、それぞれその敷地の用に供される宅地等の価額又はその権利の価額がこれらの価額の合計額のうちに占める割合を乗じて得た面積を、特例を適用する宅地等の面積とみなして、上記の算式を計算します。

 

3 特例の対象となる宅地等

この特例の対象となる宅地等は、特定事業用宅地等、特定同族会社事業用宅地等、特定居住用宅地等及び貸付事業用宅地等のいずれかに該当するものであることが必要です。
 

(1) 特定事業用宅地等


 相続開始の直前において被相続人等の事業(不動産貸付業、駐車場業、自転車駐車場業及び準事業(注1)を除きます。)の用に供されていた宅地等(その相続の開始前3年以内に新たに事業の用に供された宅地等(「3年以内事業宅地等」といいます。以下同じです。)(注2、3)を除きます。)で、次の表の区分に応じ、それぞれに掲げる要件の全てに該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得したものをいいます(次の表の区分に応じ、それぞれに掲げる要件の全てに該当する部分で、それぞれの要件に該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得した持分の割合に応ずる部分に限られます。)。

相続開始前三年以内の贈与、相続時精算課税に係る贈与で取得した宅地等は適用なし。(租通69の4-1)

 
○ 特定事業用宅地等の要件
区 分
特例の適用要件
被相続人の事業の用に供されていた宅地等 事業承継要件 その宅地等の上で営まれていた被相続人の事業を相続税の申告期限までに引き継ぎ、かつ、その申告期限までその事業を営んでいること。
保有継続要件 その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。
被相続人と生計を一にしていた被相続人の
親族の事業の用に供されていた宅地等
事業継続要件 相続開始の直前から相続税の申告期限まで、その宅地等の上で事業を営んでいること。
保有継続要件 その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。
 

(注)

1 「準事業」とは、事業と称するに至らない不動産の貸付けその他これに類する行為で相当の対価を得て継続的に行うものをいいます。

2 相続開始前3年以内に新たに事業の用に供された宅地等であっても、一定の規模以上の事業を行っていた被相続人等の事業の用に供された宅地等については、3年以内事業宅地等に該当しません。


なお、上記の「一定の規模以上の事業」とは、次の算式を満たす場合におけるその事業をいいます。
 

(算式)

       下記の事業の用に供されていた一定の資産(※)のうち
被相続人等が有していたものの相続開始時の価額の合計額
新たに事業の用に供された宅地等の相続開始時の価額

 ≧15%


※ 上記の「一定の資産」とは、次に掲げる資産(当該資産のうちに当該事業の用以外の用に供されていた部分がある場合には、その事業の用に供されていた部分に限ります。)をいいます。

 

@ その宅地等の上に存する建物(その附属設備を含みます。)又は構築物

A 所得税法第2条第1項第19号に規定する減価償却資産でその宅地等の上で行われるその事業に係る業務の用に供されていたもの(上記@に掲げるものを除きます。)
 

3 所得税法等の一部を改正する法律(平成31年法律第6号)附則により、平成31年4月1日から令和4年3月31日までの間に相続又は遺贈により取得した宅地等のうち、平成31年3月31日までに事業の用に供された宅地等については、3年以内事業宅地等に該当しないものとする経過措置が設けられています。
 

4 被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した人が、特定事業用宅地等についてこの特例の適用を受ける場合には、その人を含め、その被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した人の全てが、「個人の事業用資産についての相続税の納税猶予及び免除」の適用を受けることができません。

 

(2) 特定同族会社事業用宅地等


 

相続開始の直前から相続税の申告期限まで一定の法人の事業(不動産貸付業、駐車場業、自転車駐車場業及び準事業を除きます。)の用に供されていた宅地等で、次の表に掲げる要件の全てに該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得したものをいいます(一定の法人の事業の用に供されている部分で、次の表に掲げる要件の全てに該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得した持分の割合に応ずる部分に限られます。)。

 
○ 特定同族会社事業用宅地等の要件
区 分
特例の適用要件
一定の法人の事業の用
に供されていた宅地等
 法人役員要件  相続税の申告期限においてその法人の役員(法人税法第2条第15号に規定する役員(清算人を除きます。)をいいます。)であること。
 保有継続要件  その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。
 

(注) 一定の法人とは、相続開始の直前において被相続人及び被相続人の親族等が法人の発行済株式の総数又は出資の総額の50%超を有している場合におけるその法人(相続税の申告期限において清算中の法人を除きます。)をいいます。

 

@ 被相続人の親族等とは、被相続人の親族及びその被相続人と租税特別措置法施行令第40条の2第16項に定める特別の関係がある者をいいます。

 

A 発行済株式の総数又は出資の総額には、法人の株主総会又は社員総会において議決権を行使できる事項の全部について制限された租税特別措置法施行規則第23条の2第6項又は第7項に規定する株式又は出資は含まれません。

(3) 特定居住用宅地等


 

 相続開始の直前において被相続人等の居住の用に供されていた宅地等で、次の表の区分に応じ、それぞれに掲げる要件に該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得したものをいいます(次の表の区分に応じ、それぞれに掲げる要件に該当する部分で、それぞれの要件に該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得した持分の割合に応ずる部分に限られます。)。なお、その宅地等が2以上ある場合には、主としてその居住の用に供していた一の宅地等に限ります。
 

○ 特定居住用宅地等の要件
区分
特例の適用要件
取得者
取得者等ごとの要件
@ 被相続人の居住の用(注1)に供されていた宅地等(注2) 1 被相続人の配偶者  「取得者ごとの要件」はありません。
2 被相続人の居住の用に供されていた一棟の建物に居住していた親族(注3)  相続開始の直前から相続税の申告期限まで引き続きその建物に居住し、かつ、その宅地等を相続開始時から相続税の申告期限まで有していること。
3 上記1及び2以外の親族

次の(1)から(6)の要件を全て満たすこと(一定の経過措置がありますので、詳しくは下記の(注)4を参照してください。) 。

(1) 居住制限納税義務者又は非居住制限納税義務者(注5)のうち日本国籍を有しない者ではないこと。
(2) 被相続人に配偶者がいないこと。
(3) 相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋に居住していた被相続人の相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合の相続人)がいないこと。
(4) 相続開始前3年以内に日本国内にある取得者、取得者の配偶者、取得者の三親等内の親族又は取得者と特別の関係がある一定の法人(注6)が所有する家屋(相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を除きます。)に居住したことがないこと。
(5) 相続開始時に、取得者が居住している家屋を相続開始前のいずれの時においても所有していたことがないこと。
(6) その宅地等を相続開始時から相続税の申告期限まで有していること。
A 被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の居住の用に供されていた宅地等 1 被相続人の配偶者  「取得者ごとの要件」はありません。
2 被相続人と生計を一にしていた親族  相続開始前から相続税の申告期限まで引き続きその家屋に居住し、かつ、その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。
 

(注)

1 「被相続人の居住の用」には、被相続人の居住の用に供されていた宅地等が、養護老人ホームへの入所など被相続人が居住の用に供することができない一定の事由(次の(1)又は(2)の事由に限ります。)により相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていなかった場合(被相続人の居住の用に供されなくなった後に、事業の用又は新たに被相続人等以外の人の居住の用に供された場合を除きます。)におけるその事由により居住の用に供されなくなる直前の被相続人の居住の用を含みます。

(1) 介護保険法第19条第1項に規定する要介護認定若しくは同条第2項に規定する要支援認定を受けていた被相続人又は介護保険法施行規則第140条の62の4第2号に該当していた被相続人が次に掲げる住居又は施設に入居又は入所をしていたこと。
イ 老人福祉法第5条の2第6項に規定する認知症対応型老人共同生活援助事業が行われる住居、同法第20条の4に規定する養護老人ホーム、同法第20条の5に規定する特別養護老人ホーム、同法第20条の6に規定する軽費老人ホーム又は同法第29条第1項に規定する有料老人ホーム
ロ 介護保険法第8条第28項に規定する介護老人保健施設又は同条第29項に規定する介護医療院
ハ 高齢者の居住の安定確保に関する法律第5条第1項に規定するサービス付き高齢者向け住宅(イの有料老人ホームを除きます。)

(2) 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第21条第1項に規定する障害支援区分の認定を受けていた被相続人が同法第5条第11項に規定する障害者支援施設(同条第10項に規定する施設入所支援が行われるものに限ります。)又は同条第17項に規定する共同生活援助を行う住居に入所又は入居をしていたこと。

2 「被相続人の居住の用に供されていた宅地等」が、被相続人の居住の用に供されていた一棟の建物(「建物の区分所有等に関する法律第1条の規定に該当する建物」※を除きます。)の敷地の用に供されていたものである場合には、その敷地の用に供されていた宅地等のうち被相続人の親族の居住の用に供されていた部分(上記〔特定居住用宅地等の要件〕区分Aに該当する部分を除きます。)を含みます。

3 「被相続人の居住の用に供されていた一棟の建物に居住していた親族」とは、次の(1)又は(2)のいずれに該当するかに応じ、それぞれの部分に居住していた親族のことをいいます。

(1) 被相続人の居住の用に供されていた一棟の建物が、「建物の区分所有等に関する法律第1条の規定に該当する建物」※である場合
 被相続人の居住の用に供されていた部分
(2) (1)以外の建物である場合
 被相続人又は被相続人の親族の居住の用に供されていた部分

※ 「建物の区分所有等に関する法律第1条の規定に該当する建物」とは、区分所有建物である旨の登記がされている建物をいいます。

4 所得税法等の一部を改正する法律(平成30年法律第7号)附則により、次の経過措置が設けられています。

(1) 平成30年4月1日から令和2年3月31日までの間に相続又は遺贈により取得した宅地等のうちに、平成30年3月31日において相続又は遺贈があったものとした場合に平成30年改正前の租税特別措置法第69条の4第3項第2号ロの要件(具体的には次のイ及びロの要件をいいます。以下この(1)において「旧法要件」といいます。)を満たす宅地等に該当することとなる宅地等(以下「経過措置対象宅地等」といいます。)がある場合には、その経過措置対象宅地等については、上の表の@3の要件又は旧法要件(次のイ及びロの要件をいいます。)のいずれかの要件とされています。
イ 上記の表の@3(1)から(3)まで及び(6)の要件
ロ 相続開始前3年以内に日本国内にある取得者又は取得者の配偶者が所有する家屋(相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を除きます。)に居住したことがないこと

(2) 令和2年4月1日以後に相続又は遺贈により経過措置対象宅地等を取得した場合において、同年3月31日においてその経過措置対象宅地等の上に存する建物の新築又は増築等の工事が行われており、かつ、その工事の完了前に相続又は遺贈があったときは、その相続税の申告期限までにその建物を自己の居住の用に供したときに限り、その経過措置対象宅地等については上の表の@の被相続人の居住の用に供されていた宅地等と、その取得者は、同表の@2の要件を満たす者とみなすこととされています。

5 「居住制限納税義務者」又は「非居住制限納税義務者」については相続人が外国に居住しているときを参照してください。

6 「特別の関係がある一定の法人」とは、次の(1)から(4)に掲げる法人をいいます。

(1) 取得者及び租税特別措置法施行令第40条の2第15項第1号イからヘまでに掲げる者(以下6において「取得者等」といいます。)が法人の発行済株式又は出資(その法人が有する自己の株式又は出資を除きます。)の総数又は総額((2)及び(3)において「発行済株式総数等」といいます。)の10分の5を超える数又は金額の株式又は出資を有する場合におけるその法人
(2) 取得者等及び(1)に掲げる法人が他の法人の発行済株式総数等の10分の5を超える数又は金額の株式又は出資を有する場合におけるその他の法人
(3) 取得者等並びに(1)及び(2)に掲げる法人が他の法人の発行済株式総数等の10分の5を超える数又は金額の株式又は出資を有する場合におけるその他の法人
(4) 取得者等が理事、監事、評議員その他これらの者に準ずるものとなっている持分の定めのない法人
 

(4) 貸付事業用宅地等


 

相続開始の直前において被相続人等の事業(不動産貸付業、駐車場業、自転車駐車場業及び準事業(注1)に限ります。以下「貸付事業」といいます。)の用に供されていた宅地等(その相続の開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地等(「3年以内貸付宅地等」といいます。以下同じです。)(注2、3)を除きます。)で、次の表の区分に応じ、それぞれに掲げる要件の全てに該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得したものをいいます(次の表の区分に応じ、それぞれに掲げる要件の全てに該当する部分で、それぞれの要件に該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得した持分の割合に応ずる部分に限られます。)。

 
○ 貸付事業用宅地等の要件
区 分
特例の適用要件
被相続人の貸付事業の用に供されていた宅地等 事業承
継要件
その宅地等に係る被相続人の貸付事業を相続税の申告期限までに引き継ぎ、かつ、その申告期限までその貸付事業を行っていること。
保有継
続要件
その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。
被相続人と生計を一にしていた被相続人の
親族の貸付事業の用に供されていた宅地等
事業継
続要件
相続開始前から相続税の申告期限まで、その宅地等に係る貸付事業を行っていること。
保有継
続要件
その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。
 

(注)

1 「準事業」とは、事業と称するに至らない不動産の貸付けその他これに類する行為で相当の対価を得て継続的に行うものをいいます。

2 相続開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地等であっても、相続開始の日まで3年を超えて引き続き特定貸付事業(貸付事業のうち準事業以外のものをいいます。以下同じです。)を行っていた被相続人等のその特定貸付事業の用に供された宅地等については、3年以内貸付宅地等に該当しません。

3 所得税法等の一部を改正する法律(平成30年法律第7号)附則により、平成30年4月1日から令和3年3月31日までの間に相続又は遺贈により取得した宅地等のうち、平成30年3月31日までに貸付事業の用に供された宅地等については、3年以内貸付宅地等に該当しないものとする経過措置が設けられています。

(5) 日本郵便株式会社に貸し付けられている一定の郵便局舎の敷地の用に供されている宅地等



 

 日本郵便株式会社に貸し付けられている郵便局舎の敷地の用に供されている宅地等については、次の要件の全てを満たす場合、特定事業用宅地等に該当するものとして、この特例の適用を受けることができます。


  1 平成19年9月30日以前から被相続人又はその相続人が旧日本郵政公社との間の賃貸借契約に基づき郵便局の用に供するために貸し付けられていた一定の建物(以下「郵便局舎」といいます。)の敷地の用に供されていた宅地等であること。

2 平成19年10月1日から相続の開始の直前までの間において、その賃貸借契約の契約事項に一定事項以外の事項の変更がない賃貸借契約に基づき、引き続き、郵便局舎の敷地の用に貸し付けられていた宅地等であること。(貸付先は、平成19年10月1日から平成24年9月30日までの間にあっては郵便局株式会社、平成24年10月1日から相続開始の直前までの間にあっては日本郵便株式会社)

3 その宅地等を取得した相続人から相続の開始の日以後5年以上その郵便局舎を日本郵便株式会社が引き続き借り受けることにより、その宅地等を同日以後5年以上郵便局舎の敷地の用に供する見込みであることについて総務大臣の証明がなされたものであること。

4 郵便局舎の宅地等について、既にこの特例の規定の適用を受けていないこと。(賃貸人一代限り)
 

4 特例を受けるための手続

 この特例の適用を受けるためには、相続税の申告書に、この特例を受けようとする旨を記載するとともに、小規模宅地等に係る計算の明細書や遺産分割協議書の写しなど一定の書類を添付する必要があります。

 

(措法69の4、平30改正法附則118、平成31改正法附則79、措令40の2、措規23の2、措通69の4-27、28、郵政民営化法180)


・Q1   事業的規模でない不動産貸付けの場合
・Q2   農機具置き場や農作業を行うための建物の敷地に係る小規模宅地等の特例
(参考)相続税のしくみ(平成25年度税制改正、平成26年以降施行されるもの)

一定の宅地等/他

* QUIBBLER = 屁理屈屋
 


  No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例) 

[平成31年4月1日現在法令等]

事業的規模でない不動産貸付けの場合

Q1

 事業的規模でない不動産の貸付けの場合であっても、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の対象となりますか。

A1

 相続開始の直前において、被相続人等の貸付事業の用に供されていた宅地等で、一定の要件に該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得した部分は、貸付事業用宅地等として小規模宅地等についての課税価格の計算の特例の対象となります。その減額割合は50%です。ここでいう貸付事業とは「不動産貸付業」、「駐車場業」、「自転車駐車場業」及び事業と称するに至らない不動産の貸付けその他これに類する行為で相当の対価を得て継続的に行う「準事業」をいいますので、事業規模は問わずこの特例の対象となります
 ただし、この特例の対象となる不動産の貸付けは相当の対価を得て継続的に行うものに限られていますので、使用貸借により貸し付けられている宅地等は特例の対象になりません

(参考)相続開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された場合

 相続開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地等(「3年以内貸付宅地等」といいます。)貸付事業用宅地等の対象となりませんが、相続開始の日まで3年を超えて引き続き特定貸付事業(準事業以外の貸付事業をいいます。)を行っていた被相続人等の貸付事業の用に供された宅地等については、3年以内貸付宅地等に該当しないこととされております。
 したがって、被相続人等が行っていた不動産の貸付けが事業的規模でない準事業であった場合には、相続開始前3年以内に貸付事業の用に供された宅地等については、3年以内貸付宅地等として、この特例の対象にはならないこととなります。

(注)平成30年3月31日までに貸付事業の用に供された宅地等については、3年以内貸付宅地等に該当しないこととされています。

(措法69の4、平30改正法附則118、措令40の2、措規23の2、措通69の4−13)

 

農機具置き場や農作業を行うための建物の敷地に係る小規模宅地等の特例

Q2

  農業用耕うん機、トラクター、農機具等の収納や農作業を行うための建物の敷地の用に供されている土地は、小規模宅地等の特例の対象となる事業用宅地等に該当しますか。
 なお、土地の地目は宅地となっています。

A2

 農機具等の収納又は農作業を行うことを目的とした建物の敷地は、他の要件を満たす限り小規模宅地等の特例の対象となる事業用宅地等に該当します
 ただし、建物又は構築物の敷地であっても、@温室その他の建物でその敷地が耕作の用に供されているもの及びA暗きょその他の構築物でその敷地が耕作・養畜等の用に供されるものについては、たとえ建物等の敷地であっても同特例の対象となる事業用宅地等には該当しません。これらの土地は建物等の敷地とはいえ、農地又は採草放牧地に該当し、それらについては、一定の要件を満たす場合には農地等の納税猶予の特例を適用することができます

(措法69の4、措規23の2)


 

4 特例を受けるための手続

 この特例の適用を受けるためには、相続税の申告書に、この特例を受けようとする旨を記載するとともに、小規模宅地等に係る計算の明細書や遺産分割協議書の写しなど一定の書類を添付する必要があります


(措法69の4、平30改正法附則118、平成31改正法附則79、措令40の2、措規23の2、措通69の4-27、郵政民営化法180)


 
参考(旧情報)・・・・・・・・・・・・・・

No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
[平成31年4月1日現在法令等]

1 特例の概要
 個人が相続や遺贈によって取得した財産のうちその相続開始の直前において被相続人又は被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族(以下「被相続人等」といいます。)の事業の用又は居住の用に供されていた宅地等(土地又は土地の上に存する権利をいいます。以下同じです。)のうち一定のものがある場合には、その宅地等のうち一定の面積までの部分(以下「小規模宅地等」といいます。)については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、下記2の表に掲げる区分ごとにそれぞれに掲げる割合を減額します
 なお、相続時精算課税に係る贈与によって取得した宅地等及び「個人の事業用資産についての贈与税の納税猶予及び免除」の適用を受けた特例事業受贈者に係る贈与者
又は「個人の事業用資産についての相続税の納税猶予及び免除」の適用を受ける特例事業相続人等に係る被相続人から相続又は遺贈により取得した特定事業用宅地等については、この特例の適用を受けることはできません

(注) 「宅地等のうち一定のもの」とは、建物又は構築物の敷地の用に供されている宅地等(農地及び採草放牧地は除きます。)をいい、棚卸資産及びこれに準ずる資産を除きます。
2 減額される割合等
 小規模宅地等については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、次の表に掲げる区分ごとに一定の割合を減額します。
相続開始の直前における宅地等の利用区分
要件
限度
面積
減額
割合
被相続人等の
事業の用に供
されていた宅
地等
貸付事業以外の事業用の宅地等
@ 特定事業用宅地等に該当する宅地等 400u 80%
貸付事業用の宅地等 一定の法人に貸し付けられ、その法人の事業(貸付事業を除きます。)用の宅地等 A 特定同族会社事業用宅地等に該当する宅地等 400u 80%
B 貸付事業用宅地等に該当する宅地等 200u 50%
一定の法人に貸し付けられ、その法人の貸付事業用の宅地等 C 貸付事業用宅地等に該当する宅地等 200u 50%
被相続人等の貸付事業用の宅地等
D 貸付事業用宅地等に該当する宅地等 200u 50%
被相続人等の居住の用に供されていた宅地等
E 特定居住用宅地等に該当する宅地等 330u 80%

3 特例の対象となる宅地等
 この特例の対象となる宅地等特定事業用宅地等特定同族会社事業用宅地等特定居住用宅地等及び貸付事業用宅地等のいずれかに該当するものであることが必要です。
 

(1) 特定事業用宅地等 


 
 相続開始の直前において被相続人等の事業(不動産貸付業、駐車場業、自転車駐車場業及び準事業を除きます。)の用に供されていた宅地等(平成31年4月1日以後の相続又は遺贈により取得した宅地等については、その相続の開始前3年以内に新たに事業の用に供された宅地等(「3年以内事業宅地等」といいます。以下同じです。)(注1、2)を除きます。)で、次の表の区分に応じ、それぞれに掲げる要件の全てに該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得したものをいいます(次の表の区分に応じ、それぞれに掲げる要件の全てに該当する部分で、それぞれの要件に該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得した持分の割合に応ずる部分に限られます。)。

○ 特定事業用宅地等の要件
区 分
特例の適用要件
被相続人の事業の用に供されていた宅地等 事業承
継要件
その宅地等の上で営まれていた被相続人の事業を相続税の申告期限までに引き継ぎ、かつ、その申告期限までその事業を営んでいること。
保有継
続要件
その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。
被相続人と生計を一にしていた被相続人の
親族の事業の用に供されていた宅地等
事業継
続要件
相続開始の直前から相続税の申告期限まで、その宅地等の上で事業を営んでいること。
保有継
続要件
その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。

(注)
1 相続開始前3年以内に新たに事業の用に供された宅地等であっても、一定の規模以上の事業を行っていた被相続人等の事業の用に供された宅地等については、3年以内事業宅地等に該当しません。
 なお、上記の「一定の規模以上の事業」とは、次の算式を満たす場合におけるその事業をいいます。
(算式)
 ・A/B ≧15%
 A=下記の事業の用に供されていた一定の資産(※)のうち
  被相続人等が有していたものの相続開始時の価額の合計額
 B=新たに事業の用に供された宅地等の相続開始時の価額
※ 上記の「一定の資産」とは、次に掲げる資産(当該資産のうちに当該事業の用以外の用に供されていた部分がある場合には、その事業の用に供されていた部分に限ります。)をいいます。
@  その宅地等の上に存する建物(その附属設備を含む。)又は構築物
A
 
 所得税法第2条第1項第19号に規定する減価償却資産でその宅地等の上で行われるその事業に係る業務の用に供されていたもの(上記@に掲げるものを除きます。)

2 所得税法等の一部を改正する法律(平成31年法律第6号)附則により、平成31年4月1日から令和4年3月31日までの間に相続又は遺贈により取得した宅地等のうち、平成31年3月31日までに事業の用に供された宅地等については、3年以内事業宅地等に該当しないものとする経過措置が設けられています。
3 被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した人が、特定事業用宅地等についてこの特例の適用を受ける場合には、その人を含め、その被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した人の全てが、「個人の事業用資産についての相続税の納税猶予及び免除」の適用を受けることができません

(2) 特定同族会社事業用宅地等


 

 相続開始の直前から相続税の申告期限まで一定の法人の事業(不動産貸付業、駐車場業、自転車駐車場業及び準事業を除きます。)の用に供されていた宅地等で、次の表の要件の全てに該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得したものをいいます(一定の法人の事業の用に供されている部分で、次の表に掲げる要件の全てに該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得した持分の割合に応ずる部分に限られます。)。


〇 特定同族会社事業用宅地
区分
特例の適用要件
一定の法人の事業の用に供されていた宅地等 法人役員要件 相続税の申告期限においてその法人の役員(法人税法第2条第15号に規定する役員(清算人を除きます。)をいいます。)であること。
保有継続要件 その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。

(注)  一定の法人とは、相続開始の直前において被相続人及び被相続人の親族等が法人の発行済株式の総数又は出資の総額の50%超を有している場合におけるその法人(相続税の申告期限において清算中の法人を除きます。)をいいます。
 被相続人の親族等とは、被相続人の親族及びその被相続人と租税特別措置法施行令第40条の2第16項に定める特別の関係がある者をいいます。
A    発行済株式の総数又は出資の総額には、法人の株主総会又は社員総会において議決権を行使できる事項の全部について制限された租税特別措置法施行規則第23条の2第6項又は第7項に規定する株式又は出資は含まれません。

 

 (3) 特定居住用宅地等 


 
 相続開始の直前において被相続人等の居住の用に供されていた宅地等で、次の表の区分に応じ、それぞれに掲げる要件に該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得したものをいいます(次の表の区分に応じ、それぞれに掲げる要件に該当する部分で、それぞれの要件に該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得した持分の割合に応ずる部分に限られます。)。なお、その宅地等が2以上ある場合には、主としてその居住の用に供していた一の宅地等に限ります。


○ 特定居住用宅地等の要件
区分
特例の適用要件
取得者
取得者等ごとの要件
@ 被相続人の居住の用(注1)に供されていた宅地等(注2) 1 被相続人の配偶者  「取得者ごとの要件」はありません。
2 被相続人の居住の用に供されていた一棟の建物に居住していた親族(注3)  相続開始の直前から相続税の申告期限まで引き続きその建物に居住し、かつ、その宅地等を相続開始時から相続税の申告期限まで有していること
3 上記1及び2以外の親族

次の(1)から(6)の要件を全て満たすこと(一定の経過措置がありますので、詳しくは下記の(注)4を参照してください。)

(1) 居住制限納税義務者又は非居住制限納税義務者(注5)のうち日本国籍を有しない者ではないこと
(2) 被相続人に配偶者がいないこと
(3) 相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋に居住していた被相続人の相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合の相続人)がいないこと
(4) 相続開始前3年以内に日本国内にある取得者、取得者の配偶者、取得者の三親等内の親族又は取得者と特別の関係がある一定の法人(注6)が所有する家屋(相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を除きます。)に居住したことがないこと
(5) 相続開始時に、取得者が居住している家屋を相続開始前のいずれの時においても所有していたことがないこと
(6) その宅地等を相続開始時から相続税の申告期限まで有していること
A 被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の居住の用に供されていた宅地等 1 被相続人の配偶者  「取得者ごとの要件」はありません。
2 被相続人と生計を一にしていた親族  相続開始前から相続税の申告期限まで引き続きその家屋に居住し、かつ、その宅地等を相続税の申告期限まで有していること

(注)
1 「被相続人の居住の用」には、被相続人の居住の用に供されていた宅地等が、養護老人ホームへの入所など被相続人が居住の用に供することができない一定の事由(次の(1)又は(2)の事由に限ります。)により相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていなかった場合(被相続人の居住の用に供されなくなった後に、事業の用又は新たに被相続人等以外の人の居住の用に供された場合を除きます。)におけるその事由により居住の用に供されなくなる直前の被相続人の居住の用を含みます
(1) 介護保険法第19条第1項に規定する要介護認定若しくは同条第2項に規定する要支援認定を受けていた被相続人又は介護保険法施行規則第140条の62の4第2号に該当していた被相続人が次に掲げる住居又は施設に入居又は入所をしていたこと。
イ 老人福祉法第5条の2第6項に規定する認知症対応型老人共同生活援助事業が行われる住居、同法第20条の4に規定する養護老人ホーム、同法第20条の5に規定する特別養護老人ホーム、同法第20条の6に規定する軽費老人ホーム又は同法第29条第1項に規定する有料老人ホーム
ロ 介護保険法第8条第28項に規定する介護老人保健施設又は同条第29項に規定する介護医療院
ハ 高齢者の居住の安定確保に関する法律第5条第1項に規定するサービス付き高齢者向け住宅(イの有料老人ホームを除きます。)
(2) 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第21条第1項に規定する障害支援区分の認定を受けていた被相続人が同法第5条第11項に規定する障害者支援施設(同条第10項に規定する施設入所支援が行われるものに限ります。)又は同条第17項に規定する共同生活援助を行う住居に入所又は入居をしていたこと。
2 「被相続人の居住の用に供されていた宅地等」が、被相続人の居住の用に供されていた一棟の建物(「建物の区分所有等に関する法律第1条の規定に該当する建物」※を除きます。)の敷地の用に供されていたものである場合には、その敷地の用に供されていた宅地等のうち被相続人の親族の居住の用に供されていた部分(上記〔特定居住用宅地等の要件〕区分2に該当する部分を除きます。)を含みます。
3 「被相続人の居住の用に供されていた一棟の建物に居住していた親族」とは、次の(1)又は(2)のいずれに該当するかに応じ、それぞれの部分に居住していた親族のことをいいます。
(1) 被相続人の居住の用に供されていた一棟の建物が、「建物の区分所有等に関する法律第1条の規定に該当する建物」※である場合
 被相続人の居住の用に供されていた部分
(2) (1)以外の建物である場合
 被相続人又は被相続人の親族の居住の用に供されていた部分
※「建物の区分所有等に関する法律第1条の規定に該当する建物」とは、区分所有建物である旨の登記がされている建物をいいます。
4 所得税法等の一部を改正する法律(平成30年法律第7号)附則により、次の経過措置が設けられています。
(1) 平成30年4月1日から令和2年3月31日までの間に相続又は遺贈により取得した宅地等のうちに、平成30年3月31日において相続又は遺贈があったものとした場合に平成30年改正前の租税特別措置法第69条の4第3項第2号ロの要件(具体的には次のイ及びロの要件をいいます。以下この(1)において「旧法要件」といいます。)を満たす宅地等に該当することとなる宅地等(以下「経過措置対象宅地等」といいます。)がある場合には、その経過措置対象宅地等については、上の表の@3の要件又は旧法要件(次のイ及びロの要件をいいます。)のいずれかの要件とされています。
イ 上記の表の@3(1)から(3)まで及び(6)の要件
ロ 相続開始前3年以内に日本国内にある取得者又は取得者の配偶者が所有する家屋(相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を除きます。)に居住したことがないこと
(2) 令和2年4月1日以後に相続又は遺贈により経過措置対象宅地等を取得した場合において、同年3月31日においてその経過措置対象宅地等の上に存する建物の新築又は増築等の工事が行われており、かつ、その工事の完了前に相続又は遺贈があったときは、その相続税の申告期限までにその建物を自己の居住の用に供したときに限り、その経過措置対象宅地等については上の表の@の被相続人の居住の用に供されていた宅地等と、その取得者は、同表の@2の要件を満たす者とみなすこととされています。
5 「居住制限納税義務者」又は「非居住制限納税義務者」については相続人が外国に居住しているときを参照してください。
6 「特別の関係がある一定の法人」とは、次の(1)から(4)に掲げる法人をいいます。
(1) 取得者及び租税特別措置法施行令第40条の2第15項第1号イからヘまでに掲げる者(以下6において「取得者等」といいます。)が法人の発行済株式又は出資(その法人が有する自己の株式又は出資を除きます。)の総数又は総額((2)及び(3)において「発行済株式総数等」といいます。)の10分の5を超える数又は金額の株式又は出資を有する場合におけるその法人
(2) 取得者等及び(1)に掲げる法人が他の法人の発行済株式総数等の10分の5を超える数又は金額の株式又は出資を有する場合におけるその他の法人
(3) 取得者等並びに(1)及び(2)に掲げる法人が他の法人の発行済株式総数等の10分の5を超える数又は金額の株式又は出資を有する場合におけるその他の法人
(4) 取得者等が理事、監事、評議員その他これらの者に準ずるものとなっている持分の定めのない法人
 

 (4) 貸付事業用宅地等


 
 相続開始の直前において被相続人等の事業(不動産貸付業、駐車場業、自転車駐車場業及び準事業(注1)に限ります。以下「貸付事業」といいます。)の用に供されていた宅地等(その相続の開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地等(「3年以内貸付宅地等」といいます。以下同じです。)(注2、3)を除きます。)で、次の表の区分に応じ、それぞれに掲げる要件の全てに該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得したものをいいます(次の表の区分に応じ、それぞれに掲げる要件の全てに該当する部分で、それぞれの要件に該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得した持分の割合に応ずる部分に限られます。)。

○ 貸付事業用宅地等の要件
区分
特例の適用要件
被相続人の貸付事業の用に供されていた宅地等 事業承
継要件
その宅地等に係る被相続人の貸付事業を相続税の申告期限までに引き継ぎ、かつ、その申告期限までその貸付事業を行っていること。
保有継
続要件
その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。
被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の貸付事業の用に供されていた宅地等 事業継
続要件
相続開始前から相続税の申告期限まで、その宅地等に係る貸付事業を行っていること。
保有継
続要件
その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。

(注)
1 「準事業」とは、事業と称するに至らない不動産の貸付けその他これに類する行為で相当の対価を得て継続的に行うものをいいます。
2 相続開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地等であっても、相続開始の日まで3年を超えて引き続き特定貸付事業(貸付事業のうち準事業以外のものをいいます。以下同じです。)を行っていた被相続人等のその特定貸付事業の用に供された宅地等については、3年以内貸付宅地等に該当しません。
3 所得税法等の一部を改正する法律(平成30年法律第7号)附則により、平成30年4月1日から令和3年3月31日までの間に相続又は遺贈により取得した宅地等のうち、平成30年3月31日までに貸付事業の用に供された宅地等については、3年以内貸付宅地等に該当しないものとする経過措置が設けられています。

租税特別措置法



(小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例)
第69条の4 個人が相続又は遺贈により取得した財産のうちに、当該相続の開始の直前において、当該相続若しくは遺贈に係る被相続人又は当該被相続人と生計を一にしていた当該被相続人の親族(第三項において「被相続人等」という。)の事業(事業に準ずるものとして政令で定めるものを含む。同項において同じ。)の用又は居住の用(居住の用に供することができない事由として政令で定める事由により相続の開始の直前において当該被相続人の居住の用に供されていなかつた場合(政令で定める用途に供されている場合を除く。)における当該事由により居住の用に供されなくなる直前の当該被相続人の居住の用を含む。同項第2号において同じ。)に供されていた宅地等(土地又は土地の上に存する権利をいう。同項及び次条第5項において同じ。)で財務省令で定める建物又は構築物の敷地の用に供されているもののうち政令で定めるもの(特定事業用宅地等、特定居住用宅地等、特定同族会社事業用宅地等及び貸付事業用宅地等に限る。以下この条において「特例対象宅地等」という。)がある場合には、当該相続又は遺贈により財産を取得した者に係る全ての特例対象宅地等のうち、当該個人が取得をした特例対象宅地等又はその一部でこの項の規定の適用を受けるものとして政令で定めるところにより選択をしたもの(以下この項及び次項において「選択特例対象宅地等」という。)については、限度面積要件を満たす場合の当該選択特例対象宅地等(以下この項において「小規模宅地等」という。)に限り、相続税法第11条の2に規定する相続税の課税価格に算入すべき価額は、当該小規模宅地等の価額に次の各号に掲げる小規模宅地等の区分に応じ当該各号に定める割合を乗じて計算した金額とする。
一 特定事業用宅地等である小規模宅地等特定居住用宅地等である小規模宅地等及び特定同族会社事業用宅地等である小規模宅地等 100分の20
二 貸付事業用宅地等である小規模宅地等 100分の50
2 前項に規定する限度面積要件は、当該相続又は遺贈により特例対象宅地等を取得した者に係る次の各号に掲げる選択特例対象宅地等の区分に応じ、当該各号に定める要件とする。
一 特定事業用宅地等又は特定同族会社事業用宅地等(第3号イにおいて「特定事業用等宅地等」という。)である選択特例対象宅地等 当該選択特例対象宅地等の面積の合計が400平方メートル以下であること。
二 特定居住用宅地等である選択特例対象宅地等 当該選択特例対象宅地等の面積の合計が330平方メートル以下であること。
三 貸付事業用宅地等である選択特例対象宅地等 次のイ、ロ及びハの規定により計算した面積の合計が200平方メートル以下であること。
イ 特定事業用等宅地等である選択特例対象宅地等がある場合の当該選択特例対象宅地等の面積を合計した面積に400分の200を乗じて得た面積
ロ 特定居住用宅地等である選択特例対象宅地等がある場合の当該選択特例対象宅地等の面積を合計した面積に330分の200を乗じて得た面積
ハ 貸付事業用宅地等である選択特例対象宅地等の面積を合計した面積
3 この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 特定事業用宅地等 被相続人等の事業(不動産貸付業その他政令で定めるものを除く。以下この号及び第3号において同じ。)の用に供されていた宅地等で、次に掲げる要件のいずれかを満たす当該被相続人の親族(当該親族から相続又は遺贈により当該宅地等を取得した当該親族の相続人を含む。イ及び第四号(ロを除く。)において同じ。)が相続又は遺贈により取得したもの(相続開始前3年以内に新たに事業の用に供された宅地等(政令で定める規模以上の事業を行つていた被相続人等の当該事業の用に供されたものを除く。)を除き、政令で定める部分に限る。)をいう。
イ 当該親族が、相続開始時から相続税法第27条、第29条又は第31条第2項の規定による申告書の提出期限(以下この項において「申告期限」という。)までの間に当該宅地等の上で営まれていた被相続人の事業を引き継ぎ、申告期限まで引き続き当該宅地等を有し、かつ、当該事業を営んでいること。
ロ 当該被相続人の親族が当該被相続人と生計を一にしていた者であつて、相続開始時から申告期限(当該親族が申告期限前に死亡した場合には、その死亡の日。第4号イを除き、以下この項において同じ。)まで引き続き当該宅地等を有し、かつ、相続開始前から申告期限まで引き続き当該宅地等を自己の事業の用に供していること。
二 特定居住用宅地等 被相続人等の居住の用に供されていた宅地等(当該宅地等が二以上ある場合には、政令で定める宅地等に限る。)で、当該被相続人の配偶者又は次に掲げる要件のいずれかを満たす当該被相続人の親族(当該被相続人の配偶者を除く。以下この号において同じ。)が相続又は遺贈により取得したもの(政令で定める部分に限る。)をいう。
イ 当該親族が相続開始の直前において当該宅地等の上に存する当該被相続人の居住の用に供されていた一棟の建物(当該被相続人、当該被相続人の配偶者又は当該親族の居住の用に供されていた部分として政令で定める部分に限る。)に居住していた者であつて、相続開始時から申告期限まで引き続き当該宅地等を有し、かつ、当該建物に居住していること。
ロ 当該親族(当該被相続人の居住の用に供されていた宅地等を取得した者であつて財務省令で定めるものに限る。)が次に掲げる要件の全てを満たすこと(当該被相続人の配偶者又は相続開始の直前において当該被相続人の居住の用に供されていた家屋に居住していた親族で政令で定める者がいない場合に限る。)。
(1) 相続開始前3年以内に相続税法の施行地内にある当該親族、当該親族の配偶者、当該親族の三親等内の親族又は当該親族と特別の関係がある法人として政令で定める法人が所有する家屋(相続開始の直前において当該被相続人の居住の用に供されていた家屋を除く。)に居住したことがないこと。
(2) 当該被相続人の相続開始時に当該親族が居住している家屋を相続開始前のいずれの時においても所有していたことがないこと。
(3) 相続開始時から申告期限まで引き続き当該宅地等を有していること。
ハ 当該親族が当該被相続人と生計を一にしていた者であつて、相続開始時から申告期限まで引き続き当該宅地等を有し、かつ、相続開始前から申告期限まで引き続き当該宅地等を自己の居住の用に供していること。
三 特定同族会社事業用宅地等 相続開始の直前に被相続人及び当該被相続人の親族その他当該被相続人と政令で定める特別の関係がある者が有する株式の総数又は出資の総額が当該株式又は出資に係る法人の発行済株式の総数又は出資の総額の10分の5を超える法人の事業の用に供されていた宅地等で、当該宅地等を相続又は遺贈により取得した当該被相続人の親族(財務省令で定める者に限る。)が相続開始時から申告期限まで引き続き有し、かつ、申告期限まで引き続き当該法人の事業の用に供されているもの(政令で定める部分に限る。)をいう。
四 貸付事業用宅地等 被相続人等の事業(不動産貸付業その他政令で定めるものに限る。以下この号において「貸付事業」という。)の用に供されていた宅地等で、次に掲げる要件のいずれかを満たす当該被相続人の親族が相続又は遺贈により取得したもの(特定同族会社事業用宅地等及び相続開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地等(相続開始の日まで3年を超えて引き続き政令で定める貸付事業を行つていた被相続人等の当該貸付事業の用に供されたものを除く。)を除き、政令で定める部分に限る。)をいう。
イ 当該親族が、相続開始時から申告期限までの間に当該宅地等に係る被相続人の貸付事業を引き継ぎ、申告期限まで引き続き当該宅地等を有し、かつ、当該貸付事業の用に供していること。
ロ 当該被相続人の親族が当該被相続人と生計を一にしていた者であつて、相続開始時から申告期限まで引き続き当該宅地等を有し、かつ、相続開始前から申告期限まで引き続き当該宅地等を自己の貸付事業の用に供していること。
4 第1項の規定は、同項の相続又は遺贈に係る相続税法第27条の規定による申告書の提出期限(以下この項において「申告期限」という。)までに共同相続人又は包括受遺者によつて分割されていない特例対象宅地等については、適用しない。ただし、その分割されていない特例対象宅地等が申告期限から3年以内(当該期間が経過するまでの間に当該特例対象宅地等が分割されなかつたことにつき、当該相続又は遺贈に関し訴えの提起がされたことその他の政令で定めるやむを得ない事情がある場合において、政令で定めるところにより納税地の所轄税務署長の承認を受けたときは、当該特例対象宅地等の分割ができることとなつた日として政令で定める日の翌日から4月以内)に分割された場合(当該相続又は遺贈により財産を取得した者が次条第1項の規定の適用を受けている場合を除く。)には、その分割された当該特例対象宅地等については、この限りでない。
5 相続税法第32条第1項の規定は、前項ただし書の場合その他既に分割された当該特例対象宅地等について第1項の規定の適用を受けていなかつた場合として政令で定める場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
6 第1項の規定は、第70条の6の8第1項の規定の適用を受けた同条第2項第2号に規定する特例事業受贈者に係る同条第1項に規定する贈与者から相続又は遺贈により取得(第70条の6の9第1項(同条第2項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により相続又は遺贈により取得をしたものとみなされる場合における当該取得を含む。)をした特定事業用宅地等及び第70条の6の10第1項の規定の適用を受ける同条第2項第2号に規定する特例事業相続人等に係る同条第1項に規定する被相続人から相続又は遺贈により取得をした特定事業用宅地等については、適用しない
7 第1項の規定は、同項の規定の適用を受けようとする者の当該相続又は遺贈に係る相続税法第27条又は第29条の規定による申告書(これらの申告書に係る期限後申告書及びこれらの申告書に係る修正申告書を含む。次項において「相続税の申告書」という。)に第1項の規定の適用を受けようとする旨を記載し、同項の規定による計算に関する明細書その他の財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する
8 税務署長は、相続税の申告書の提出がなかつた場合又は前項の記載若しくは添付がない相続税の申告書の提出があつた場合においても、その提出又は記載若しくは添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該記載をした書類及び同項の財務省令で定める書類の提出があつた場合に限り、第1項の規定を適用することができる。
9 第1項に規定する小規模宅地等について、同項の規定の適用を受ける場合における相続税法第48条の2第6項において準用する同法第41条第2項の規定の適用については、同項中「財産を除く」とあるのは、「財産及び租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第69条の4第1項(小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例)の規定の適用を受けた同項に規定する小規模宅地等を除く」とする。
10 第4項から前項までに定めるもののほか、第1項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
 

令和元年台風第19号に係る特定土地等の評価方法等の概要



国税庁ホームページhttp://www.rosenka.nta.go.jp/main_r01/chousei/pdf/ref_hyoukagaiyou.pdf参照
国 税 庁

令和元年台風第19号に係る特定土地等の評価方法等の概要

 令和元年台風第19号により、被害を受けられた皆様に、心からお見舞い申し上げます。
 令和元年台風第19号に係る租税特別措置法第69条の6((特定土地等及び特定株式等に係る相続税の課税価格の計算の特例))、同法第69条の7((特定土地等及び特定株式等に係る贈与税の課税価格の計算の特例))及び同法第69条の8((相続税及び贈与税の申告書の提出期限の特例))に規定する特定土地等の評価方法等の概要は、下記のとおりとなります。



1 災害発生日前(令和元年10月9日以前)に取得した特定土地等
 ⑴ 特定土地等の評価の特例の概要
 次の@又はAに該当する土地等(土地又は土地の上に存する権利をいいます。)で、特定地域(注)内にある土地等(特定土地等)の価額は、その取得の時の時価によらず、「令和元年台風第19号の発生直後の価額」によることができます。
 @ 平成30年12月10日から令和元年10月9日までの間に相続等(相続又は遺贈をいいます。)により取得した土地等
 A 平成31年1月1日から令和元年10月9日までの間に贈与により取得した土地等
(注)
「特定地域」とは、特定非常災害により被災者生活再建支援法第3条第1項の規定の適用を受ける地域(同項の規定の適用がない場合には、その特定非常災害により相当な損害を受けた地域として財務大臣が指定する地域)をいい、次の地域が該当します(令和元年12月18日現在)。 
 ≪特定地域≫
都県名 特定地域 都県名 特定地域 都県名 特定地域
 岩手県  宮古市
 釜石市
 山田町
 久慈市
 群馬県  富岡市
 嬬恋村
 神奈川県  川崎市
 相模原市
 宮城県  県内全域  埼玉県  県内全域  新潟県  阿賀町
 福島県  県内全域  千葉県  県内全域  山梨県  上野原市
 茨城県  県内全域  東京都  大田区
 世田谷区
 八王子市
 あきる野市
 日の出町
 檜原村
 長野県  県内全域
 栃木県  宇都宮市
 足利市
 栃木市
 佐野市
 鹿沼市
 小山市
 那須烏山市
 茂木町
 静岡県  伊豆市
 伊豆の国市
 函南町

 ⑵ 「令和元年台風第19号の発生直後の価額」の計算方法等
 相続税及び贈与税の申告の便宜等の観点から、令和元年台風第19号による地価下落を反映した「調整率」を特定地域内における一定の地域ごとに定めることとしています。
  「令和元年台風第19号の発生直後の価額」は、この「調整率」を令和元年分の路線価等(路線価及び評価倍率をいいます。)に乗じて計算することができます。
 イ 路線価地域の場合
 特定土地等が路線価地域にある場合の「令和元年台風第19号の発生直後の価額」は、令和元年分の路線価(評価時点:平成31年1月1日)に「調整率」を乗じて計算することができます。
 【計算例】
 令和元年分の路線価 ……… 100,000 円
 調整率 ……………………… 0.80※
 (令和元年分の路線価) (調整率)
 100,000 円 × 0.80※ = 80,000 円
 ※ 計算例のための仮の数値です。 
ロ 倍率地域の場合
 特定土地等が倍率地域にある場合の「令和元年台風第 19 号の発生直後の価額」は、令和元年分の評価倍率(評価時点:平成 31 年1月1日)に「調整率」を乗じて計算することができます。
 【計算例】
 令和元年分の評価倍率……1.1 倍
 調整率………0.80※
 (令和元年分の評価倍率) (調整率)
 1.1 × 0.80※ = 0.88
 ※ 計算例のための仮の数値です。
 ⑶ 申告期限について
 イ 相続税
 相続人等のうちに租税特別措置法第 69 条の6の適用を受けることができる者がいる場合には、その相続人等の全員の申告期限が令和2年8月 11 日まで延長されます(注)。
 (注)
1 国税通則法第 11 条の規定に基づき申告期限が延長された方は、令和2年8月 11 日とその延長された期限のいずれか遅い日が相続税の申告期限となります。
2 「更正の請求」の期間は、申告期限から5年間となります。
 ロ 贈与税
 令和元年分の贈与税については、租税特別措置法第 69 条の7の適用を受けることができる場合には、申告期限が令和2年8月 11日まで延長されます(注)。
 (注)
1 国税通則法第 11 条の規定に基づき申告期限が延長された方は、令和2年8月 11 日とその延長された期限のいずれか遅い日が贈与税の申告期限となります。
2 「更正の請求」の期間は、申告期限から6年間となります。
2 災害発生日以後(令和元年10月10日以後)に取得した土地等
 ⑴ 土地等の計算方法
 令和元年 10 月 10 日から同年 12 月 31 日までの間に相続等又は贈与により取得した土地等のうち、特定地域内にある土地等の価額については、上記1に準じて計算することができます。
 ⑵ 申告期限について
 イ 相続税
 令和元年 10 月 10 日から同年 12 月 31 日までの間に相続等が開始した相続税については、相続の開始があったことを知った日の翌日から 10 か月を経過する日が申告期限となります(注)。
 (注)
1 国税通則法第 11 条の規定に基づき申告期限が延長された方は、その延長された期限が相続税の申告期限となります。
2 「更正の請求」の期間は、申告期限から5年間となります。
 ロ 贈与税
 令和元年10月10日から同年12月31日までの間に贈与により財産を取得した贈与税については、令和2年3月16日が申告期限となります(注)。
 (注)
1 国税通則法第 11 条の規定に基づき申告期限が延長された方は、その延長された期限が贈与税の申告期限となります。
2 「更正の請求」の期間は、申告期限から6年間となります。


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租税特別措置法
(特定土地等及び特定株式等に係る相続税の課税価格の計算の特例)
第69条の6 特定非常災害(特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律第2条第1項の規定により特定非常災害として指定された非常災害をいう。次条第1項において同じ。)に係る同法第2条第1項の特定非常災害発生日(以下第69条の8までにおいて「特定非常災害発生日」という。)前に相続又は遺贈(当該相続に係る被相続人からの贈与により取得した財産で相続税法第21条の9第3項(第70条の2の6第1項、第70条の2の7第1項(第70条の2の8において準用する場合を含む。)又は第70条の3第1項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定の適用を受けるものに係る贈与を含む。以下この条及び第69条の8において同じ。)により財産を取得した者があり、かつ、当該相続又は遺贈に係る相続税法第27条第1項の規定により提出すべき申告書の提出期限が当該特定非常災害発生日以後である場合において、その者が当該相続若しくは遺贈により取得した財産又は贈与により取得した財産(当該特定非常災害発生日の属する年(当該特定非常災害発生日が1月1日から同法第28条第1項の規定により提出すべき申告書の提出期限までの間にある場合には、その前年。次条第1項及び第69条の8第3項において同じ。)の1月1日から当該特定非常災害発生日の前日までの間に取得したもので、同法第19条又は第21条の9第3項の規定の適用を受けるものに限る。)で当該特定非常災害発生日において所有していたもののうちに、当該特定非常災害により被災者生活再建支援法第3条第1項の規定の適用を受ける地域(同項の規定の適用がない場合には、当該特定非常災害により相当な損害を受けた地域として財務大臣が指定する地域。以下この項及び第4項において「特定地域」という。)内にある土地若しくは土地の上に存する権利(以下この項、次項及び次条第一項において「特定土地等」という。)又は特定地域内に保有する資産の割合が高い法人として政令で定める法人の株式若しくは出資(金融商品取引法第2条第16項に規定する金融商品取引所に上場されている株式その他これに類するものとして政令で定めるものを除く。以下この項、次項及び次条第1項において「特定株式等」という。)があるときは、当該特定土地等又は当該特定株式等については、相続税法第11条の2に規定する相続税の課税価格に算入すべき価額又は同法第19条若しくは第21条の15の規定により当該相続税の課税価格に加算される贈与により取得した財産の価額は、同法第22条の規定にかかわらず、当該特定非常災害の発生直後の価額として政令で定めるものの金額とすることができる。
2 前項の規定は、特定非常災害発生日前に民法第958条の3第1項の規定により同項に規定する相続財産の全部又は一部を与えられた者があり、かつ、当該相続財産の全部又は一部の遺贈に係る相続税法第29条第1項又は第31条第2項の規定により提出すべき申告書の提出期限が当該特定非常災害発生日以後である場合において、当該相続財産の全部又は一部で当該特定非常災害発生日においてその者が所有していたもののうちに特定土地等又は特定株式等があるときについて準用する。
3 前2項の規定は、これらの規定に規定する申告書(これらの申告書に係る期限後申告書及び修正申告書を含む。)又は国税通則法第23条第3項に規定する更正請求書にこれらの規定の適用を受けようとする旨の記載がある場合に限り、適用する。ただし、当該記載がなかつたことにつき税務署長においてやむを得ない事情があると認めるときは、この限りでない。
4 財務大臣は、第1項の規定により特定地域を指定したときは、これを告示する。
(特定土地等及び特定株式等に係る贈与税の課税価格の計算の特例)
第69条の7 個人が特定非常災害発生日の属する年の1月1日から当該特定非常災害発生日の前日までの間に贈与により取得した財産で当該特定非常災害発生日において所有していたもののうちに、特定土地等又は特定株式等がある場合には、当該特定土地等又は当該特定株式等については、相続税法第21条の2又は第21条の10に規定する贈与税の課税価格に算入すべき価額は、同法第22条の規定にかかわらず、当該特定非常災害発生日に係る特定非常災害の発生直後の価額として政令で定めるものの金額とすることができる。
2 前条第3項の規定は、前項の規定の適用を受けようとする場合について準用する。この場合において、同条第3項中「これらの規定に規定する申告書(これらの申告書」とあるのは「相続税法第28条の規定による申告書(当該申告書」と、「これらの規定の」とあるのは「次条第1項の規定の」と読み替えるものとする。
(相続税及び贈与税の申告書の提出期限の特例)
第69条の8 同一の被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した全ての者のうちに第69条の6第1項の規定の適用を受けることができる者がいる場合において、当該相続若しくは遺贈により財産を取得した者又はその者の相続人(包括受遺者を含む。次項及び第4項において同じ。)が相続税法第27条第1項又は第2項の規定により提出すべき申告書の提出期限が特定日(第69条の6第1項の特定非常災害に係る国税通則法第11条の規定により延長された申告に関する期限と特定非常災害発生日の翌日から10月を経過する日とのいずれか遅い日をいう。以下この条において同じ。)の前日以前であるときは、当該申告書の提出期限は、特定日とする。
2 同一の被相続人から遺贈により財産を取得した全ての者のうちに第69条の6第2項の規定の適用を受けることができる者がいる場合において、当該遺贈により財産を取得した者又はその者の相続人が相続税法第29条第1項の規定若しくは同条第2項において準用する同法第27条第2項の規定又は同法第31条第2項の規定により提出すべき申告書の提出期限が特定日の前日以前であるときは、当該申告書の提出期限は、特定日とする。
3 特定非常災害発生日の属する年の1月1日から12月31日までの間に贈与により財産を取得した個人で前条第1項の規定の適用を受けることができるものが相続税法第28条第1項の規定により提出すべき申告書の提出期限が特定日の前日以前である場合には、当該申告書の提出期限は、特定日とする。
4 前項に規定する者の相続人が相続税法第28条第2項において準用する同法第27条第2項の規定により提出すべき申告書の提出期限が特定日の前日以前であるときは、当該申告書の提出期限は、特定日とする。
 

個人版事業承継税制(追補)



資産課税課情報|第2号|令和2年1月14日|国税庁資産課税課
個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予及び免除に関する
質疑応答事例について(情報)

 令和元年度税制改正において創設された個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶
予に関する質疑応答事例を取りまとめたので、執務の参考として送付する。
 なお、質疑応答事例は、令和2年1月1日現在の法令に基づくものである。

《省略用語例等》
1 この情報において使用した省略用語は、それぞれ次に掲げる法令を示す。
措置法……………租税特別措置法(昭和 32 年法律第 26 号)
措置法令…………租税特別措置法施行令(昭和 32 年政令第 43 号)
措置法規則………租税特別措置法施行規則(昭和 32 年大蔵省令第 15 号)
措置通……………租税特別措置法(相続税法の特例関係)の取扱いについて(法令解釈通達)
       (昭和50年11月4日付直資2−224 ほか2課共同)

2 この情報における次の表の左欄の用語の意義は、それぞれ同表の右欄の措置法の規定に規定するところによる。
用  語 規  定
特例受贈事業用資産 措置法第 70 条の6の8第1項
特例事業受贈者 措置法第 70 条の6の8第2項第2号
特例事業用資産 措置法第 70 条の6の 10 第1項
特例事業相続人等 措置法第 70 条の6の 10 第2項第2号


(問5)同一の事業に係る特定事業用資産を複数の者から承継をした場合の継続届出書の提出時期
(問)次のとおりA事業に係る特定事業用資産を父母から取得し、それぞれ納税猶予の適用を受けた場合、継続届出書の提出の基準となる特例報告基準日はどのようになるのか。
@ ×1年7月 10 日 父から贈与 ⇒ 贈与税の申告期限は×2年3月 15 日
A ×2年6月 20 日 母から相続 ⇒ 相続税の申告期限は×3年4月 20 日
B ×15 年4月 15 日 父が死亡 ⇒ 相続税の申告期限は×16 年2月 15 日
(答)
@からBに係る納税猶予のいずれについても、継続届出書の提出の基準となる特例報告基準日は、
×2年3月 15 日の翌日から3年を経過するごとの日となる。

(解説)
1  問4のとおり、特例事業受贈者等が引き続き納税猶予の適用を受けるためには、特例報告基準日の翌日から3月を経過する日までに継続届出書を納税地の所轄税務署長に提出する必要がある
(措置法 70 の6の8H、70 の6の 10I)。

2  この継続届出書の提出の基準となる「特例報告基準日」とは、特定申告期限の翌日から3年を経過するごとの日をいうところ(措置法 70 の6の8H、70 の6の 10I)、「特定申告期限」とは、特例事業受贈者等の最初の「贈与税の納税猶予」の適用に係る贈与の日の属する年分の贈与税の申告書の提出期限又は最初の「相続税の納税猶予」の適用に係る相続に係る相続税の申告書の提出期限のいずれか早い日をいうこととされている(措置法 70 の6の8E、70 の6の 10E)。
 したがって、一の事業に係る特定事業用資産を複数の者から贈与又は相続により取得し、それぞれにつき納税猶予の適用を受けた場合には、継続届出書の提出の基準となる「特例報告基準日」は同一の日となることになる。

3  問の事例の贈与及び相続は、いずれもA事業に係るものであることから、その特定申告期限は最初の贈与(@の贈与)に係る贈与税の申告期限である×2年3月 15 日となり、継続届出書の提出の基準となる特例報告基準日は、当該特定申告期限の翌日から3年を経過するごとの日となる。
(参考)継続届出書の提出基準日
経過年 月日 父から 月日 母から
×01年 7月10日 父から贈与 ↓
×02年↓ 3月15日 特定申告期限 6月20日 母から相続↓
×03年↓ 4月20日 申告期限
×04年↓
×05年*↓ 3月15日 贈与報告基準日 3月15日 相続報告基準日
×06年*↓
×07年*↓
×08年**↓ 3月15日 贈与報告基準日 3月15日 相続報告基準日
×14年***↓ 3月15日 贈与報告基準日 3月15日 相続報告基準日
×15年****↓ 4月15日 父死亡 免除→相続↓
×16年****↓ 2月15日 申告期限
×17年****↓ 3月15日 相続報告基準日 3月15日 相続報告基準日

山下真茂留税理士事務所はTKC全国会会員です
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関東信越税理士会所属
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